高貯蓄と高成長
政府の統制・介入は当初から誤りであったという議論もありますが、私はそれは極端な見方であろうと思います。
・・・しかし、今日、国際化が進み、日本経済の実力がついたのにまだ保護主義が残っていることも事実です。
概していえば、日本政府が、産業がまだ幼稚な段階にあるときには保護的な産業政策を採用し、力をつけるにしたがって自由化を進めたという、この一面における保護と他面における自由化との組み合わせが一般的に巧妙で、そのことが経済政策のひとつの大きな特徴であったということができます。
いわゆる開発途上国のなかで、これから"卒業"していく途上国も出てくるわけですが・・・
それらの国にとって日本の段階的自由化の過程は、その成功の面も失敗の面も、いろいろな意味で参考になるでしょう。
・・・ここで、さきにのべた日本人の貯蓄について、もう少しのべておきましょう。
日本の貯蓄率は、戦争の時期を除いて、戦前においても戦後においても一貫して、世界のなかで最も高い水準を続けました。
貯蓄と消費は裏表の関係にありますから、短期的にみれば景気の状況によって当然その評価が変わります。
景気が悪いときに貯蓄率が上がれば、当然消費は抑えられて成長率が低くなりますから、好ましいことではありません。
しかし、一般に、貯蓄率が高いことは投資にまわる資金が多いことを意味します。